
福祉とは、全ての国民に最低限の幸福と社会的な援助を提供する、という理念です。平たく言えば、国民すべてが「ふだん」の「くらし」において「しあわせ」であってほしい、ということです。
弘法大師空海は、涅槃経の「山川(さんせん)草木(そうもく)悉皆(しっかい)仏性(ぶっしょう)」というお釈迦様の金言に託して、「この世に無駄なものはない」と言い放ちました。
仏教の根本思想は、一切の生類を苦しみから救い上げることであり、『日本書紀』に表されている救済制度から現代の福祉制度まで、基底に息づいている考え方は不変の原則だと言えましょう。
福祉の価値観は個々人の幸福追求を最優先しますが、人々が幸福であることは反射的な利益として社会の安寧と繁栄に資することになります。
それこそが持続可能な社会であり、私たちはその一助となる思いで、国立総合児童センター「こどもの城」で30年間培ってきた経験を生かし、すべての子どもが健やかに成長できる社会の実現に寄与することを目的として事業を推進して参りました。
健全育成事業は、児童館・放課後児童クラブ等6施設3事業を地方自治体から託されて運営しております。
企業主導型保育事業は、子ども・子育て拠出金を負担している企業等が、従業員のための保育施設を設置する場合に、建築費及び運営費を助成しております。
児童給食事業は、栄養価の高いスキムミルクを全国の要望のある保育所等に安価で配分しています。
児童養護施設等サポート事業は、児童養護施設を退所後大学等に進学するなど、働きながら自立援助ホームでの自立生活を始める児童と青少年に対する支援を行なっています。
その他、児童福祉関係研修会等協力事業、出版・監修事業等々の公益事業を行っております。
現今は新型コロナウィルスやその変異種との闘いを征することも急務ですが、皆様が必要としている事業は粛々と真摯に進めて参ります。
鈴木一光